【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
「だな。
お前イリスに対してもそんな目で見てるってことか? それ普通にヤベーやつじゃん。」
「いやだからオレにそんな趣味はねぇからな!?
イグニス、お前だって何とか言えよ!」
自分を取り囲む視線が冷ややかになっているのを肌で感じたグラディオは、何とか誰かに助け舟を出してもらおうと傍観しているイグニスに話を振るが、私達の軍師はクイ、と落ち着いた様子で眼鏡のブリッジを上げてごく冷静に彼なりの意見を述べ始めた。
「何とか、とは?
ノクトとグレイスが似た境遇に置かれた兄妹同士精神的に支え合っているのは昔から知っているし、
普通に学校に通おうとも、周りは普通には扱ってくれない環境で育ち、
父親であるレギス陛下は幼少の頃からご多忙ともくれば、二人が互いを心の拠り所にし、幼い頃と距離感が変わらない道理も理解出来る。
だからオレは別に今更何とも思わん」
「さっすがイグニス、よくわかってくれてる~」
「はー…マジかよ…」
立板に流れる水のようにスラスラと話すイグニスに対して、私とグラディオは正反対とも言えるようなリアクションを取った。
そのせいか、一瞬 にこ、と微笑んだイグニスと目があった後、彼は再びグラディオに視線を戻して会話を続けた。
「マジだ。
…さて、オレ達は今日のところは帰るとするか。
ついでに段ボールも処分していってやろう。
ほらグラディオ、くだらない妄想をしている暇があったらお前も持て」
「へいへい…」
「わ、最後の最後までありがとう!
もう少しお部屋が落ち着いたらみんな遊びにきてね!」
「うんうん、絶対来るからね! 楽しみにしてる!」