【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
そしてあっという間に三月下旬、今日は引っ越し当日。
朝からバタバタと大勢の人に手伝ってもらいながら新居に荷物を運び入れている。
その中にはノクトお兄ちゃん、グラディオ、ヴァニラ、イグニスの姿もあった。
「グレイス、ひとまず本は棚へ順に詰めていって良いか?」
「ありがとうイグニス。うん、どんどんお願い!」
「了解した」
そう言ってテキパキと動くイグニスの足元には段ボールを開けながらぶつぶつとぼやくノクトお兄ちゃんの姿があった。
「それにしてもよー、オレの時は一人暮らしすんのに親父にも周りにもあれこれ言われてすっげー苦労したのに、何でグレイスは親父から勧められてすんなりいけんだよ、不平等じゃね?」
「そりゃお前、朝は弱い、野菜は食わねぇ、そんなだらしねぇ生活習慣のヤツに簡単にOKなんて出せるはずねーだろ。
案の定、食事も掃除もイグニスの世話になりっぱなしじゃねぇか」
「うっせーなグラディオ。朝はちゃんと一人で起きてんだろーが」
「ふふ、確かに私もお父さんに一人暮らしの話を貰った時はびっくりしたけど、
でもそれはノクトお兄ちゃんがイグニスの手を借りながらでも大きな問題なく一年ちゃんと過ごしてくれたことも大きいよ?
ありがとう、ノクトお兄ちゃん」
「…おぅ。グレイス、お前良いこと言うな。ご褒美に昼飯奢ってやる」
「わーい、ほんと? ありがとうノクトお兄ちゃん!」
この会話の一方で、
「グレイスってほんといい子だね~」
「いやいや…グレイスもイグニスも、ノクトに甘すぎんだよ全く…」
やや照れ臭そうにしながらも満足気に笑うノクティスと、兄である人物に頭を撫でられ無邪気に笑うグレイスをやや遠目に見て、ヴァニラとグラディオはそれぞれの感想を口にしていた。