【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
リベルト達から胸いっぱいのエールをもらってしばらくした頃。
「えっ!? 一人暮らし? 私も?」
先日受けた高等部進級試験の結果が無事合格で返ってきた後、お父さんから思いがけない提案をもらった。
「あぁ。もちろんムリにとは言わないが、ノクトも楽しくやっているみたいだしな。
ノクトと同じマンションならセキュリティも警備もしっかりしているし、グレイスも社会勉強の一環としてどうだ?」
「う、わぁ~…ちょっと予想してなくてびっくりしてる…」
一人暮らしかぁ…確かに興味はあったし、私もやってみたいなって気持ちはあったんだよね…。
「してみたい、かな…。
ん~…でも、私まで一人暮らししちゃったらお父さん寂しくない?」
「はは、遠くへ嫁に行くわけでもない、いつでも会いに行ける距離じゃないか。それに、グレイスも好きな時に私のところへ顔を出してくれていいわけだしな」
「ありがとう、そう言ってくれて…。
じゃあ…いいかな? 私もやってみても…」
「あぁ、もちろんだ。ではそのように手配しておくからグレイスも時間を見つけて荷物をまとめたり準備をしておきなさい。
また詳細は連絡する」
「うん、わかった。
ねぇお父さん、そしたら今度私のお部屋にご飯食べに来て! 実は結構作れるんだからね」
「おぉ、それは楽しみだな。ぜひお呼ばれするとしよう」
それからは、新生活に向けての準備で慌ただしくも楽しく過ごしていた。
新しいお部屋の内覧にはしゃいだり、スマホや雑誌でインテリアの勉強をしながらヴァニラと家具屋さんを何ヶ所か巡ったり、お城の自分の部屋の荷物を引っ張り出しているうちに懐かしいものが出てきて思い出に耽ったり。
「ここでイグニスとも沢山の時間過ごしたよなぁ…」
この部屋で一緒にいた時間は、お父さんよりも、もしかしたらノクトお兄ちゃんよりもイグニスの方が多いかもしれない。
「一人暮らしの部屋じゃ…会う機会、減っちゃうかもしれないな…。
でも、その方が良いか…」
一抹の寂しさを抱きながら、必要最低限の荷造りを済ましていく。
またいつでも取りに来れるし、防犯の理由上引っ越し業者さんに頼むのではなく、親衛隊や警備隊の人に荷運びを手伝ってもらうから荷物は出来るだけ少な目にしておこう。