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【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)

第20章 プロンプト登場! ってね


あらかた料理を食べつくした後、いよいよメインのバースデーケーキが運ばれてきた。
1と6のロウソクと、夏が旬の桃をふんだんに乗せたケーキだ。

ちょっと照れ臭そうにするノクトを囲みながらバースデーソングを歌ったり、写真を撮ったり。
そうそう、やっぱお誕生日会と言えばこれだよね!

「さて、これを五等分か…目分量だと少し難しいな」
「あ、私良いアプリ知ってるよ!」

珍しく手をこまねいているイグニスにグレイスがスマートフォンの画面を見せる。
どうやら切りたいものを画面に映しこんで、分けたい数を指定すれば画面上にガイドラインが出るのでそれに沿って切ればキレイに等分出来るらしい。

「ほぅ…これは便利だな。
じゃあオレが切るから、グレイスはスマホを持っていてくれるか?」

「おっけー」

そう言ってキッチンへ向かう二人の会話を、ついつい耳で追ってしまう。

「この桃のケーキすっごく美味しそう! 食べるの楽しみ~」

「それは良かった。
昔、二人一緒に城の書物庫でレシピを見たのを覚えているか? その時もグレイスは季節の果物を使った菓子を食べたいと言っていたものな」

「えっ? そんな前のこと覚えててくれたの!?
…嬉しい」

イグニスが何気なく口にした昔話の中に、自分の記憶があったことの喜びが滲み出ているグレイスの声が聞こえてくる。

ちょっとちょっと、何でケーキ切りに行っただけでそんな雰囲気になってんの?
そんな会話に引っ張られるように思わず目線を二人に向けて…、オレは後悔した。

スマホを持つグレイスの隣に身体をぴったりとくっつけ、ものすごく近い距離のまま時折りグレイスの目を見つめるイグニス。

いやいやイグニスさん、あなたそんなに密着しなくても全然余裕でケーキに腕届きますよね!? グレイスの目じゃなくて画面と手元を気にしてよ!

それに対するグレイスは…照れたような恥ずかしがったような表情…でもどう控えめに見ても嫌がってる様子じゃない。

もしかして、グレイスのずっと片思いしてる人ってイグニス…?
あちゃー…イグニスが相手じゃオレ望み薄すぎでしょ…

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