第20章 プロンプト登場！　ってね

腰をきちんと折ってお辞儀をする女の子の肩から、ツヤっツヤの髪がさらりと一束滑り落ちる。
そんな些細なことまで視界に捉えるくらい、オレは目の前の美少女に釘付けになっていた。

こ、この子、ノクトの妹！？
小学生の頃たまに校門前にノクトと一緒に女の子がいるところを見たことはあったけど、あの頃はノクトしか見てなかったからあんまり記憶が…

「い、いいいいえ！ ぼ、ボクの方こそノクト…じゃなかった、王子には良くしてもらってますです、はい。

い、いや～ルシスの王女様がこんなに可愛いだなんて知らなかった…

…ひっ！？」

礼儀正しく丁寧に向けられる感謝の言葉と可愛い笑顔に完ッ全に舞い上がり、デレデレしながら返事をしてたら突然キッチンの方向からの心臓抉るような刺すような視線を感じて思わず変な声が出た。

「プロンプト、今日は来てくれてありがとう。もう少しで料理も出来上がるからノクト達とソファーで待っててくれ。

グレイス、こっちに戻って仕上げを手伝ってくれないか？」

「うん、イグニスすぐ行く。

それじゃあプロンプトさん、また後で色々お話聞かせてくださいね」

「わ、わかった！

あ、グレイス王女もまた…後で」

刺すような視線は確かにキッチンの方から感じたと思ったけど…視線を送ってきたのはイグニスだった…？

何かすごい怖い気配感じたんだけど、気のせい…だよね？