【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第19章 未来の王と、その軍師
「ごちそーさん。グレイスの飯、うまかったわ。
風呂入るだろ? 浴槽洗ってくるな」
「うん。ありがとう」
ノクトお兄ちゃんを見送って、二人分の食器を片付けているとノクトお兄ちゃんが何かを手にして戻ってきた。
「これ、着替えに使うか? 新品のパンツとシャツあったわ。
ちょっと前にイグニスが持ってきてくれててさ」
「わ、いいの? 助かる~!」
ありがたい。一回脱いだ下着、また履くの嫌だと思ってたんだよね。
ところでイグニス…ご飯やお掃除だけじゃなく、ノクトお兄ちゃんの下着の補充までしてるの…?
一人暮らし…
一人暮らしって、何だっけ?
「いいな…ノクトお兄ちゃんはイグニスにいっぱい構ってもらえて…
私も、イグニスに会いたい…もっと、お喋りした、ぃ…」
涙ぐむ私を見て困ったようにノクトお兄ちゃんが頭を掻く。
「いやオレは別にそんな嬉しくねーけど…
つーかそれイグニスに直接言ってやれよ。
アイツ泣いて喜ぶと思うぞ?」
「言いたいけど…無責任に期待させたり、そうやって甘えられないからここでボヤいてるんじゃん…」
「…そっか。
まぁ…しんどくなったらまた来いよ。
話聞くくらいしてやるからさ。
とりあえず今日はゆっくり休め。な?」
「うん…」
お風呂から上がり、部屋着もノクトお兄ちゃんに借りて二人寝室へ向かう。
「思ってた以上にサイズぶっかぶかだな。
裾踏んで転ばないように気を付けろよ?
…ほら、先ベッド上がれ。城のベッドみたいに広くねーからさ、寝ぼけてグレイス押し出さないようにオレが外側で寝るわ」
「ふふ、お気遣いありがとう。
じゃ、お先に失礼しまーす」
私が壁際に寄ったのを見て、ノクトお兄ちゃんもベッドに入り、ぎゅーっと抱きしめてくれる。
「あ~…久しぶりだな、この感じ。
ダンスの時も思ったけど、やっぱグレイスの温度とかニオイ、落ち着くわ」
「私も…。ノクトお兄ちゃんあったかーい」
イグニスの匂いはドキドキしちゃうけど、ノクトお兄ちゃんのはそんなことなくて。昔からずっと変わらず、安心する。
「ふぁ…オレも温かくてすぐ寝れそうだわ…
グレイスは?」
「ノクトお兄ちゃんあくび早っ。でも私も…うん、いい夢見れそう…ノクトお兄ちゃん、おやすみ」
「ん、おやすみ…」