【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第19章 未来の王と、その軍師
「ワリ…今のはオレが考えなしだったわ…」
「ううん…気持ち、わかってくれたなら良かった…。
私こそ、縁起でもないこと言ってごめん。
ご飯…、冷める前に食べちゃおう?」
「あぁ…。
なんつーか…現実逃避してる自分が情けねーわ…。
何でお前そんな腹決まってんの」
「んー…テネブラエで…何も出来ないまま沢山の命が失われていくのがすごく辛くて悲しかったから、かな…。
夢でも何度も思った。
もう二度とあんな思いはしたくないし、何もしないまま後悔したくない、って。
あー…でもこれ、ノクトお兄ちゃんに言わせれば拗らせてる、んだっけ?」
ちょっとした仕返しを込めて、ちゃめっけたっぷりに言ってみる。
「だから悪かったって!
グレイスの気持ちとかさ、覚悟は立派だと思うよ。
色んな方法とか選択肢考えて、それでもやっぱり自分の一番やりたい、優先したいを叶えるために結果的にルシスを離れることになるってんならそれでも良いと思う。
でも、これだけは言っとく。
ぜってーオレに遠慮はすんな」
「…!」
真っ直ぐに、深く愛情を感じるノクトお兄ちゃんの声に思わず無言で顔を見つめれば、力強さをしっかりと映し出したブルーグレーの瞳と目が合った。
「それは約束しろ。いいな?」
「…わかった。
ありがとう、ノクトお兄ちゃん…」
「ん」
「ノクトお兄ちゃんってさ…やっぱ優しいよね」
「そりゃどーも」