【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第19章 未来の王と、その軍師
「イグニスも言う時は言うよね~。
いや、心配して言ってくれてるのはわかってるんだけどさ。
私も、さっきの政略結婚の話したら『それは本当にグレイスにとって幸せなのか』って問いただされちゃたよ」
「言いそうだな。
つうかさグレイス、この際だからハッキリ聞くけど…
お前、イグニスのこと好きなんじゃねぇの?
そんで、多分あいつもグレイスのこと…」
「知ってる。でも、断った」
「…ハァ!? 何で!!」
ノクトお兄ちゃんの言葉を聞きたくなくて、被せるように自分の知ってる事実を言えば、それ以上の勢いで聞き返された。
「何で、って…理由はさっき話したでしょ?」
「バッカじゃねぇの!? お互い好きあってんのに何でわざわざ離れようとすんだよ! お前もイグニスも頭良いのに何肝心なところ間違えてんだよ!」
「ば、バカとは何よ! これでも私なりにすっごく辛い思いして決めたことなのに…!」
「だからバカだっつってんだよ! 辛い思いしてる時点で間違ってんだろ!!」
「何よ人の気も知らないで…。
じゃあ私も言わせてもらうけどね…ノクトお兄ちゃん、知ってる? 最近お父さん歩くのに杖使うようになったの。
少し前に45歳になったばっかりなのにだよ?
もし帝国との関係性が今と同じままだったら、未来のノクトお兄ちゃんだって…、
ううん、早く手を打たないと、今よりもっと良くない方向に傾くかもしれない。
イグニスのことはもちろん大好きだよ、でも、それと同じくらいお父さんやノクトお兄ちゃんのことも大好きなの。
その二人の身体や未来を守る為に出来ることがあれば最大限何でもしてあげたいって思うの当たり前のことじゃない?
私、そんなにおかしなこと言ってる?
それに、さっきノクトお兄ちゃんが私に『グレイスが幸せじゃなきゃオレは幸せじゃない』って言ったけど、私だって同じだからね!?
辛そうにしてるノクトお兄ちゃんの隣で、私もイグニスも楽しく幸せに笑えるなんて思う!?」