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【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)

第19章 未来の王と、その軍師


「…あいたっ」

俯いて考え込んでいたら、左こめかみ辺りに急に何かがピシッって当たった。

隣を見ると、ノクトお兄ちゃんの右手が頭のすぐ横にあったから…どうやらデコピンされたみたいだ。

「…おい。まーた頭の中で余計なことごちゃごちゃ考えてんだろ。

そんでこの目のクマ。さてはまたロクに寝れてねーな」

ぐいっと身体を前傾させたノクトお兄ちゃんに、下から心配そうに覗きこまれる。

「う…き、気付いてた…?」

「たりめーだろうが。…まだ、あのイヤな夢見ちまってんのか?」

「夢…はさすがに最近見なくなってきたかな。

ちょっと…色々と考えることが…」

イグニスのこととか、ルシスと帝国のこととか、お父さんに言われた後悔しない道のこととか…いくら考えても答えでないのばっかり。

「そっか。まぁこんだけ必死に自分の使命に向き合ってりゃ夢に見るヒマもねーわな。

なぁグレイス、お前明日何か用事あるか?」

「明日? ううん、特に何もないよ」

「よし、じゃあ今日このままオレん家泊まるってヴァニラに連絡しろ。
ガキの頃みてーに隣で一緒に寝てやるよ。

…城のデケーベッドに一人じゃ、心細くて寝れねーこともあんだろ」

「えっ……うん。ありがとうノクトお兄ちゃん…」

「気にすんなって。ほら、忘れねーうちに電話しろよ。
それ終わったら久しぶりに一緒にゲームでもやろうぜ」




ノクトお兄ちゃんの家に泊まると連絡を聞かされたヴァニラは「ほんと、仲良いんだね」と少し驚いた様子だった。

確かに普通に比べればそうなのかもしれない。
でも昔から精神的に支え合ってきた私達にはこれが普通なのだ。



「ところでノクトお兄ちゃん、ご飯はどうする予定?」

対戦ゲームでひとしきり盛り上がり、時間も大分遅くなってきた。
一人暮らしを始めて少し経ったことだし、手料理を振る舞ってくれるのかと期待して聞いてみた。

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