【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第19章 未来の王と、その軍師
時は流れて数日後。
ノクトお兄ちゃんと約束をした土曜日、私は今ヴァニラの運転する車に乗ってマンションへと向かっている。
二つ目の赤信号に引っかかったところで、ヴァニラが楽しそ~な顔をしてこちらを見てきた。
「ねぇ…私、わかっちゃった。グレイスの好きな人って、イグニスでしょ。この間の二人のダンス見て、ピーンと来ちゃった」
やっぱりその話題か、と心の中で一つ溜息をついてから返事をする。
「あ、あ~…わかっちゃった? …うん。そうだよ、正解」
「やっぱり~! それでそれで、あの夜二人で一緒に会場出たでしょ? あの後何かあったの!?」
「別に…何もないよ…。
永遠の片思いが、永遠の両片思いになっただけ…」
「えぇっ!? 何それ! どういうこと!?」
「ん~何から話せばいいのかな…
ヴァニラはさ、長引いてる戦争のせいで増え続ける移民の人達の暮らしを改善させたくて、私が色々活動してるのは知ってくれてるよね?」
「うん、それはもちろん」
ヴァニラからの力強い頷きにふっと頬が緩む。