【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第19章 未来の王と、その軍師
もし、本当に魔法の力を抑制出来る程の技術力が帝国にあるとしたら…
「さすがにマズいな…」
終戦に至るには、どちらか圧倒的な力で相手をねじ伏せ降伏させるか、
互いに歩み寄り話し合いで戦争を終えるか、
争い合っている二国以外の第三者が強引に介入して仲裁をさせ講和条約を結ばせるか…
現状、帝国に発言できる第三者など存在しない。
すると、一番目か二番目になるが…一番目は過去の歴史を見ても不可能だった。アコルドと連合軍を組んでも帝国が誇る軍事力には勝てなかった。
となると二番目が一番現実的なのだが、どんな条件で戦争を終わらせられるのか、それはその時の二国間の力の差で大きく変わってくる。
その時、万が一ルシスで最大の武力である魔法の力が帝国のコントロール下にあるとなったら、とんでもないことになる。
「それに、お父さんのあの脚…」
まだ先日45歳の誕生日を迎えたばかりだというのに、魔法障壁の影響からか最近歩く時に杖を使うようになった父の姿が頭に浮かぶ。
「早すぎる、でしょ…」
視界が涙で滲み、未来に想像を巡らすことが怖くなる。
でも私達に残された、考える為に使える時間は…実はとても少ないのかもしれない…
憂鬱なことばかりを届けてくる重たい頭を机に突っ伏して、先日お父さんから伝えられた言葉を頭の中で反芻する。
(王女として、国の為に選べる道…
心から私が幸せになれる道を、後悔しない道を選びなさい…か)
「どうしたら…どんな道が良いんだろう…
わかん、ないよ…」