【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第19章 未来の王と、その軍師
お父さんと縁談や将来について話をしてからしばらく経ったある日。
先程イグニスが届けてくれた国政レポートを自室の机に向かいながら目を通す。
…ちなみに、イグニスはレポートを渡してすぐ『ノクトにも読ませないといけないから』と言って帰ってしまった。
あまり二人きりにならないように気を遣ってくれてるんだろうけど…寂しいな。
でも、そんな浮ついた気持ちは内容を読み進めるうちにあっという間に消えていった。
帝国との戦争によって増大しつづける軍事費、
移民・難民・孤児への対応・予算の編成、
人口密度が増加し続ける移民街の治安・衛生問題、
インソムニア市民と移民とのトラブル等々…
長引く戦争は多くの面で負の影響を与える。
いくらルシスが帝国と違って軍事兵器を使わないから開発や研究・実験費に割かれる額が少ないといっても、
ひとたび争いが起きれば装備品や消耗品の調達、負傷した隊員への医療費、
魔導兵ではなく生身の人間を戦地に赴かせていることから、メンタルケアや、溜まる不満や鬱憤をガス抜きする為の施策を用意する必要も出てくる。
あと、今回のレポートで特に気になったのは
『魔法の力が阻害された』という報告。
そんなことが可能なの…?
戦場での動揺から上手く魔法が発揮できなかったとかでは…いや、今の王の剣はそんな経験不足の隊員ばかりではないし…