【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第17章 逢瀬
「オレだってグレイスに全く同じことを思っている。
大切な人の幸せを願わない人間などいるものか」
「私は…ルシスの人達が幸せになってくれれば幸せだよ? だからイグニスも…ね?」
「グレイス。オレの目を見ろ。
その幸せは、今オレに言ったみたいに一人の女性としても幸せなのか?
王女としての立場を抜きにしても、本当にグレイスにとって一番の幸せなのか?」
促すように諭すように発した言葉は、思ってもいない方向から打ち返されて答えに窮してしまう。
「そんな言い方、しないでよ…。王女としての立場がなくなるなんて、私にはありえないのに…」
「オレは、叶うことなら一人の男としてグレイスを支え、隣に立っていたい。
例えそれが叶わず、一生従者としての立場だとしても、本当に心から大切にしたい人への気持ちを宿していること自体が、自信を持ってオレの一番の幸せだといえる。
オレのグレイスへの気持ちは一生変わらない。
その心を偽って、他の女性とのことなど考えられない」
「あは…何それ。イグニス、私のこと好きすぎじゃない?」
「あぁ。さっきからそう言っている」