【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第16章 決断
イギーの腕の中で散々泣きに泣いて、もうこれ以上は息が苦しいっていうくらいまで泣いた。
そうして何とか少しずつ涙を落ち着かせ、ようやくレッスンルームの外に出られるだろうという状態になった。
イギーだってやるせない想いを抱えているのは同じなのに、何も言わず胸を貸してくれて…本当に申し訳ないと思いつつ、その存在に心から感謝した。
「ごめん…イギーのシャツ、びっしょびしょになっちゃた…」
「そんなこと気にしなくて良い。この後は帰るだけだしな。
…時間ももう遅い。部屋まで送ろう」
そうして、静かになった夜の廊下を二人並んで歩く。
お互い、無言だった。
頭に浮かぶ言葉はどれもいまいち冴えなくて、
ただひたすら黙って歩いた。
私の部屋の前に着くとイギーが口を開いた。
「グレイス、こんな時間に申し訳ないが、少しだけ中で話をさせてもらってもいいか?」
「…いいよ。入って」
こんな状況だ。誰にも聞かれたくない言葉の一つや二つもあるだろう。
私の言い分ばかり話して、イギーはひたすら慰め役に徹してくれた。今度は私が彼の話を聞く番だ。