【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第15章 ダンスレッスン
簡単なステップなら、こんな風に雑談しながらでもこなせるようになってきた。
くるり、くるり、と三拍子のリズムに合わせて踊る。
鏡に写るスカートの舞い上がる様がとても綺麗だ。
「はは、お褒めの言葉ありがとう。
最近はグレイスの体調も落ち着いてきたように見えるが、どうだ?」
「うん、しばらくお薬は継続して飲むことになりそうだけど、痛みも出血もかなり治まって楽になったよ。気にかけてくれてありがとう」
「それは何よりだ。
オレなりに調べたんだが、月経困難症はストレスも原因の一つになるらしいな。パーティーへの参加も結構その一因になってるんじゃないか心配でな。
ヴァニラから聞いたんだが…色々言われたりするんだろう?」
「あっ、ヴァニラってば本当にご令嬢達の話したんだ。
ん~…まぁ、ね。
彼女達が、王族やそれに関わる人達にどんなイメージを抱いているのか知らないけど、
私達は決して与えられるばかりの立場ではないんだけどね…。
この立場には、それ相応の責任を担う必要があるってわかってるのかな…」
「全くだ。その…すまないな、そういう場面があると知りながら助けにいってやれなくて」
「えぇっ、何言ってるの。こんなことまでイギーが気にする事じゃない。
それにへーき。もう慣れた。」
正直に言えば…慣れた、っていうのは本当だけど、平気っていうのはちょっとウソ。
もっと言えば、嫌味を言われることよりも、イギーが女性に囲まれて、それに対応してる様子を見る方が辛い。
でもそんなことを言ってイギーを困らせるようなことはしたくないから一人そっと口を噤む。