【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第14章 牽制、苛立ち
イギーに連れ添われてレッスンルームを後にする。
「グレイス大丈夫か? ここから部屋までは少し距離もあるし、もしグレイスが嫌でなければ抱きかかえてもいいか?」
「んー………うん。抱っこ、して」
「了解した」
そう言ってイギーは軽々と私の身体をお姫様抱っこする。
横の姿勢になったことで貧血特有の怠くてぼんやりする感覚がいくらか和らいでいく。
「この姿勢、楽…。ありがとうイギー…でも重くない?」
「心配には及ばない。グレイスは昔と変わらず軽いからな」
「ぷっ、変わらずってことはないでしょ~人並みに成長してるもん。
…イギーがそれ以上にたくましくなったんだね」
安定したイギーの腕の支えに甘えて、首にしがみついたりもせず、だらりと全身の体重を預けているのだから重量感はそれなりのもののはずなのに。
…この人は、本当に…。
「そうかもしれないな。グレイスやノクトを守る為に必要なことだからな」
「そっか…。いつもありがとう」
「別に普通のことだ。…さ、部屋に着いたぞ。しばらくは横になっていた方がいいだろう。ベッドに降ろすぞ」
そっとベッドに腰かけさせるように手を離してから、そのままごく自然な流れで私の靴を脱がせようとしてくるイギーに驚いて慌てて止める。
「そ、それはいい! さすがに自分でやる!!」
「そうか? 別に気にしなくて構わないんだが」
レッスン後の汗かいた状態の靴脱がせるなんて、こっちが気にする! しかも放っておいたら間違いなく靴下も脱がそうとするだろう。
いやムリムリムリムリ!!!!!
いくらこれ以上の関係の発展を望んでいないとしても、それでも万が一ニオイでもして好きな人に幻滅されたくないという乙女の恋心は譲れない。
結局、靴は自分で脱いで出来るだけ枕元から遠ざけて置き、
靴下はベッドに入ってからこっそり中で脱いだ。
汚いとかお行儀が悪いとかそんなことは問題じゃない。うん。