【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第14章 牽制、苛立ち
毎度毎度そんな様々な思惑の入り乱れるパーティーにうんざりしつつも、年齢が上がるにつれそういう機会は加速度的に増えていく。
今日も今日とて、パーティーに関するレッスンが始まる。
「はぁ~~~もう部屋に帰りて~~~~~~」
ノクトお兄ちゃんの嘆く声が鏡張りのレッスンルームに響く。
私達兄妹がそれぞれ中学三年生と二年生になった冬に新しく課せられたもの、
それは『社交ダンス』。
約半年後、お父さんが45歳のお誕生日を迎える。
そのお祝いの日に、兄妹でオープニングダンスを披露したらどうか、とどこかの大臣が言い出したらしい。
「マジで言い出したやつ誰だよ。勝手に決めんなよな」
私達の所に話が届いた頃にはすっかり決定事項になっていて、それでも難色を示したノクトお兄ちゃんだったけど、
お父さんから
「お前達二人が手を取り合って踊る景色はさぞかし絵になるだろうな。楽しみにしているぞ」
と満面の笑みで言われてしまい、ようやく腹をくくったみたい。
何だかんだ言ってお父さんのこと大好きだものね。素直じゃないけど。
「おいノクト、先生に失礼だぞ。しっかりしろ」
ホールに大の字に寝転んだノクトお兄ちゃんをイギーが引き起こす。
ちなみにレッスンはイギーも一緒。
すでに社交ダンスの心得があるらしく、レッスンを一緒に見てくれるんだとか。
私やノクトお兄ちゃんのお世話や勉強や訓練もある中で、いつの間にそんなものまで身に付けたの??
ほんとにスーパーマンだ。