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【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)

第13章 進級


それにさっき、ヴァニラに「中学で新しい出逢いがあるかも」って話、とりあえず頷いたけど…

私の立場上、好き同士ってだけで気軽に付き合えないし、ましてや結婚ってなると余計簡単な話じゃなくなってくる。

もうこれ以上自由に出来ない恋に切ない想いをするくらいなら、出逢いなんていらない。
イギーとも、恋人同士になりたいのかって言われたら…もう、違う気がするし。

はっきり異性として好きとは言っていないながらも、告白だと受け取られてもおかしくない言葉をカードと一緒に贈ったつもりだった。

それに対するイグニスの反応だって特別なものだと思った。
正直に言えば、期待、した。

それでも『妹』と言うのなら、彼の認識の中の私はどこまでいっても妹なのだろう。


これ以上変に関係性を刺激しておかしくなってしまうくらいなら、やっぱり一番最初に思った通り、王女として、妹として傍にいることだけを願うべきなんだ。


期待し続けるのも、辛いから。




頭の中でまとまらない考えに追いかけられながら、
数年前から枕元に置いているカーバンクルのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる。

映画や小説で見る恋人達はそれはそれは幸せそうで…
(たまに犬も食わないようなケンカもするけど)、
『見える世界が変わった』とかまで言ってたっけ。

先月結婚を機に退職した侍女も、お相手の話をする時はずーっと目尻が下がりっぱなしだった。
話をするのも聞いてもらうのも、その為に彼を思い出すこの瞬間も嬉しくて仕方がないって感じ。

「…いいなぁ」

でも、そんな恋人同士の間にだけある特別な幸せを知ってしまったら、きっと後が辛くなる。
終わりがある恋愛を『今だけ』と割りきって楽しめる程、私は器用な人間じゃないと思う。

だって、イギーを好きな気持ちは本当だから。



いやそれ以前にそもそも恋人同士になれる望みもないって状況なんだけどね…はぁ。

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