【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第13章 進級
「あー…そうね、そういう人を好きになれたら良かったんだけど…ね」
「違うのか?
…はっ! さては親子ほど歳の離れてるヤツとか…ま、まさか、妻帯者とかってことか!?」
「ちっっっがうよ!!
何でいきなりそんな倫理感外れた恋の選択肢にいくの!」
「グレイス…この人の恋愛観ダイジョウブ…??」
横で聞いていたヴァニラが完全にドン引きという表情で私の背中に隠れる。
もっともな反応だと思う。どこの国の従者が王女の意中の相手として早々に道ならぬ恋を想像するだろうか。
普通は一般市民のクラスメイトとの身分格差の恋とか、お城の従者とか従者とか従者とか…あるでしょ!!
「私もびっくりしてる…。
でも、こんなんでもクレイラスの息子なんだよね…」
「えぇっ!? クレイラス様の!?」
「そうなの…。何か…、ごめん」
「おいグレイス、こんなんとはなんだ、こんなんとは!?」
「言葉通りの意味だよ。
グラディオ、恋愛するのは構わないけど、不倫はやめてね…。あなたの立場でやられると王家の威信に関わるから」
「いやオレの話じゃねぇしな!?」
「選択肢にすぐに上がってくる時点で潜在的欲求がありそうで怖いよ…。
ヴァニラ、変な話聞かせてごめんね、行こっか」
「オレにそんな趣味はねぇからな!? 間違っても親父に変な報告すんなよ!?」
「わーかった、わーかった。
それじゃ私が誰かに片思いしてるってことも他言禁止でよろしく。
じゃーね、またね」
永遠の片思い…かぁ。
自分で言って、何か…余計疲れた。