【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第13章 進級
そう言ってスマートフォンを取り出すイギーを見て
「はー…マジメを絵に描いたような男だねぇ」
と評価をこぼすファングに「確かにね」と同意しながらも
「真面目だし、マメだし、よく気が付くとっても優しい人だよ。
今の私がいるのはイギーの支えのお蔭だから」
と自然とイギーを肯定する言葉が出る。
「ほー…そうかいそうかい。
ま、私はヴァニラをいびるようないけ好かねぇ陰湿インテリヤローじゃないってわかっただけで十分だわ」
「やだー、イギーはそんな器のちっちゃい人じゃないから大丈夫」
ファングとそんな話をしていると連絡先の交換が終わったらしく、
「ねぇグレイス、イグニスって私より一つ年下なんだよね?
話し方も雰囲気もすっごく落ち着いてるから思わず年上だったっけ? ってなっちゃった」
とヴァニラに話しかけられる。
「そうだよ、ヴァニラの方がお姉さんだよ。
まぁイギーも子どもの頃から大人に囲まれて暮らしてたからね…そのせいかも」
「丁度いーじゃねぇかヴァニラ。
お前は野営の訓練の時に上司も先輩も差し置いて、そこら辺に落ちてるゴザ引っ張り出していの一番に寝ようとすんだろ。
落ち着きのある淑女になれるようここで鍛えてもーらーえっ」
「そうなのかヴァニラ…それは随分とたくましいな…」
「あー! もうファング、初対面の人の前でやめてよー!
ほら、イグニスの私を見る目が〜! 引いてる〜!!」
「いーじゃねーか、本当のことなんだし」
「もー! ファングってばー!!」
部屋の中に四人の笑い声がこだまする。
思いがけないタイミングで、私にも歳の近いお姉ちゃんのような存在が出来たことが嬉しくって、これからの生活に胸が膨らんだ。