【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第12章 ブルーローズ
--その日の夜、イグニスの部屋--
帰宅したオレは、ベッドに腰かけ一人自慰に耽っていた。
あろうことか…グレイスのことを想って。
「ん…はぁ…グレイス…ッ」
成長に伴って、精通は中学一年の時に経験した。
とは言ってもオレにとっての自慰は、夢精するのが気持ちが悪いからその前に自分で出す、という程度の排泄行為に近いものだった。
だが、今夜は違った。
昼間に見たグレイスの姿や表情やしぐさがオレの胸を燻らせてどうしようもない。
「あぁ…グレイス…」
想い人の顔を思い浮かべ、名前を口にするだけで、いつもとは比べものにならない快感が走る。
すっかり硬く大きくなった自身の先端からは、透明な汁がとろとろと溢れてオレの手を濡らす。
自分のものにはならないとわかっているグレイス。
いや、そもそも自分のものにしたいと願うことすらしてはいけないグレイス。
だから、彼女に頼られ抱きしめて温もりに触れたり、
幼い頃からの習慣のような『だいすきのちゅー』をしたりされたり。
それだけで十分だった。
王女という立場にふさわしくあろうと懸命に努力する健気な少女を、妄想とはいえ自分の欲で汚そうなどと考えもしなかった。
しかし、一足早く中学の制服を身に纏い、明確な将来のヴィジョンを語るグレイスの姿は…オレが知るどのクラスメイトの誰よりも美しく聡明で…女性として魅力的だった。
見慣れない制服姿が、グレイスとオレの年齢差や立場を曖昧にしたのかもしれない。
それに加えてグレイスからの心が籠ったメッセージ、
オレがキスで頬につけた唾液を拭うこともせず真っ赤に頬を染めた顔、
思いがけない展開から見下ろすことになった口淫を連想させるあの仕草…