【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第12章 ブルーローズ
いつかは誰かと結婚してチェラム家を出るという意味を含んだグレイスの言葉にズシ、と胸が重くなる。
わかっている。ずっと前からわかっていたことだ。
それでも本人の口からその運命を受け入れた覚悟を聞かされるのはなかなかに堪えるものだ…。
内心一人落ち込んでいるオレに意外な声がかかる。
「ねぇイギー、さっきのもう一回やって?
カーバンクルのお手て動かしてよしよしするの」
「ん? あぁ、わかった。
ほら、グレイス、よしよし~。いつもイッショウケンメイでエラいね~。
…これ、意外と気に入ってたんだな」
ぬいぐるみの手を動かして頭や頬を撫でてやると、グレイスは気持ちよさそうに目を細めた。
「うん…いやされるぅー…。イギーとカーバンクル両方に甘やかされてる感じ~ぜいたく~」
「そうかそうか。
ダイジョウブだよ~ボクがいつでもソバにいるからね~」
「ん~…ありがとーイギー…」
そう言って、グレイスは立ったままでいたオレの腰下に抱きつき、甘えるように顔をすりすりしてきた。