【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第12章 ブルーローズ
「グレイス王女…ご立派です…」
「ぅうわっ、やめてよ急にそんなかしこまった言い方するの!」
自分なりの未来の展望をきちんと自分の言葉で語るグレイスを見て感慨深くそう呟いたものの、
割りと本気で嫌がってるグレイスの反応に、思わず笑いがこみ上げてくる。
「ははっそうだな、グレイスはこうして褒められる方が好きだったな?」
そう言って立ち上がり、一年前と変わらずベッドの枕元に置いてあるカーバンクルのぬいぐるみを抱き上げ
「グレイススゴいね! よくガンバってる!」と声色を変えて前脚で頭を撫でてやる。
「ぷっ、あはは! もう、今度は一気に子ども扱いしてー。
…うん、でもこの方がイギーに褒められてるって感じして嬉しいよ。
私にこんなことするのイギーくらいだもん!」
先程の大人びた表情から一転、あどけない笑顔を見せるグレイスにオレも一緒になって笑う。
そんな中、グレイスがソファーの背もたれに大きく仰け反りながら切なげに言葉を零す。
「頑張らないとね…。
ルーナお姉ちゃんだって史上最年少で神凪に就任して公務をこなしてるし、
それに…私が王家の人間でいられる時間ももしかしたらもう十年切ってるかもしれないし…」
「グレイス…」