【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第12章 ブルーローズ
「それはね、ずっと前にイギーが私に言ってくれた『王家の人間にしか出来ないこと』をしようと思ったからだよ」
『王家の人間にしか…』か。
確かその話は、グレイスがグラディオに言われた一言で大きくショックを受けた時に、励ましながら伝えたことだ。
もう三年以上前の話になるだろうのに、未だに覚えていてくれて、行動の指針にしてくれていることに嬉しくなる。
「…詳しく、聞かせてくれるか?」
するとグレイスは姿勢を正し、人の上に立つ人間らしい凛とした目をして話し始めた。
「うん。まずね、インソムニアは美しくて豊かな街だけど、イオス全体ではもちろんのこと、ルシス領内だけで見ても決して広い街ではないよね。
それに加えて帝国からの侵略を防ぐために、周囲を外壁と魔法障壁に囲み守られている。
そのお蔭で安全には暮らせるけれど、インソムニア市民の心もどこか内に向きがちというか、閉ざされがちというか…
新しいものや、特に外から入ってくるものに対して警戒心が強いように感じるの。
私は、そんな人達の心を変えたくて」