【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第12章 ブルーローズ
「うん。
イギーはさ、何でも『別に普通だ』っていうけど、そんなことない。
ノクトお兄ちゃんのお側付きとして、普通の人じゃありえないくらい勉強も、鍛錬も、そして個人的に料理まで…
それに少し前からまたノクトお兄ちゃんがお城抜け出すのに付き合ってあげてるんでしょ? 怒られるってわかってるのに。
普通の人だったら絶対根をあげてるって」
「まぁ…それもオレの役目だからな」
シガイに襲われて以来、別人のように大人しくなった頃のノクトを思い返し、
城を抜け出すのに付き合うのは毎回気が気ではないが、我儘を言ってくれるようになって安心している側面もある。
そんなオレとノクトの日常を聞きながらグレイスはくすくすと笑った後、やや表情を引き締めて続きの言葉を口にする。
「それに、この春から王都警備隊のお仕事の勉強も始めてくれるって聞いた。
その進路の選択をこの国の王女として心から感謝して嬉しく思うし、素直に尊敬する。
イギーはとーっても頭の回転も早くて優しくて…落ち着いて物事を考えることが出来る人だし、ノクトお兄ちゃんにも頼りにされてるし、将来絶対ルシスを支えてくれる人になると思う。
だからね…」
そう言って棚から何かを取り出したグレイスの手には白い封筒が見える。
「これ…あげる」