【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第12章 ブルーローズ
グレイスから伝えられた言葉にじわじわとだが確実に顔に熱が集まる感覚があり、
思わず目線を外し、片手で眼鏡のブリッジを押さえるフリして頬を隠す。
「褒め過ぎだ、グレイス…」
「だからそんなことないってば。
ほら…これ、受け取って」
隣に座り「どうぞ…、」と恥ずかしそうにしつつもきちんと両手を添えて渡してくるグレイスがいじらしい。
「あ、あぁ…ありがとう。ここで開けていいか?」
こくり、と頷くグレイスを確認して、封筒の口に指をかける。
今しがた与えられた喜びと、中身への期待と緊張とで上手く指に力が入らない。逸る気持ちで封を開くと、そこには美しい一輪のブルーローズに彩られたメッセージカードが入っていた。
『イギーへ
いつも一番近くで支えてくれてありがとう
生まれてきてくれて、私に出逢ってくれてありがとう
これまでも、これからも、ずぅっと大好きだよ
グレイス』
メッセージを読み終えた瞬間、自分の内側からこみ上げる感情の勢いのまま顔をあげると、ちらちらとオレの様子を伺っているグレイスと目があう。
そしてその次の瞬間には思い切りぎゅっとグレイスを腕の中に閉じ込めてしまっていた。
「ん、ふふっ、苦しいよイギー」
こんなオレの反応に、 嬉の感情を含んだ声で応えてくれるグレイスが愛おしくて仕方ない。
「すまない…。嬉しくて、つい…」
謝罪の言葉を口にしつつも腕の力を緩める気配のないオレに諦めたのか呆れたのかわからないが、グレイスが身体の力を抜いて、オレの背にも優しく腕を回してくれた。