【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第12章 ブルーローズ
「確か…長年の研究の末、実現したものだと聞いたことがあるな」
「そう、さすがイギー。博識だね。
元々薔薇は青い色素を持っていなかったから、昔は白い薔薇に青い水を吸わせて青く染めた人工的なものしかなかったの。
だから当時は青い薔薇は自然界に『絶対に存在しない』、
品種改良で作り出すことも『不可能』と言われていた。
でも、さっきイギーが言った通り長年の研究と、発達した遺伝子組み換え技術によって、他の花の青色遺伝子を元に、青い薔薇…ブルーローズの誕生に成功したんだって。
その成功をきっかけに、それまで『存在しない』・『不可能』と言われていたブルーローズの花言葉が『夢が叶う』・『神の祝福』に変わったんだ。
素敵なお話だよね。不可能とされていることを諦めず継続して実現出来るまで努力する。
この経緯を聞いた時、私頭の中にすぐイギーのことが思い浮かんだんだ」
「オレのことがか?」
丁寧に花の歴史を説明してくれるグレイスの声を心地よく聞いていたら、急に話題がオレのことに切り替わり、どういう意味か測りかねたような顔をしてグレイスに問う。