【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第12章 ブルーローズ
じゃ、ソファーにでも座ってて、と洗面所へと入っていくグレイスに「白セーラーなのか。珍しいな」と声をかける。
「そうなの~可愛いでしょ? 数年前まではルシスの国立らしい真っ黒なセーラーだったんだけど、ここ最近春先でも異常に暑い日が増えてきたから、これに変更したんだって」
周囲を壁に囲まれ、外海に面していないインソムニアにある学校でセーラー服とは、外に広く目を向けろということか。
留学を盛んに促しているこの学校の理念を表しているようだ。
そうして待つこと数分、洗面所のドアが開く音に顔を向ける。
「イギーお待たせっ。
どう? 似合う?」
そこにはまるでカタログから飛び出してきたかのように制服を着こなす姿のグレイスがいた。
袖と胴体部分は真っ白、襟と袖のカフス部分は落ち着いた紺に2本の白いラインが入っており、スカートと胸元を飾るスカーフは襟と同じ紺色で品良くまとまっている。
校章が入った指定のハイソックスとバランスが取れるように、膝頭より幾分短く揃えられたプリーツスカートをひらひらと揺らしながら制服の前後が見えるようにグレイスが動いてくれる。
「すごく良く似合ってるじゃないか。
グレイスの白い肌と艶のある黒髪の清純な見た目が、同じように清らかな雰囲気の白セーラーととても相性が良い。
あとグレイス最近背が大分伸びたな。それも相まってすごくバランス良く身に纏えている」
「えへへ、そんな風に具体的に褒められると照れちゃうな。
身長のことまで、相変わらず良く気が付くね、イギー」
「あぁ、気付く。グレイスのことだからな」
「えっ。いやあの…さらっとそういうこと言うのほんとズルいと思うんだけど…顔あっつ。
あー………あのさ! イギーは青い薔薇が生まれた経緯って知ってる?」
パタパタと手で自分の顔を手で扇ぎ、照れた様子で強引に話題を変えるグレイスが可愛らしいなと思いながら質問の答えを考える。