【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第12章 ブルーローズ
ヴァニラを見送った後、次の謁見の予定があるからと聞かされたオレ達も玉座の間を退室し、「少し話そう」と言うグレイスと一緒に彼女の部屋へと足を向ける。
グレイスの部屋へと入り、ドアを閉めると緊張が解れて自然と息が出た。
「ふぅ…やはりレギス陛下にお会いするのは緊張するな」
「イギーでもそうなの?
でも確かに玉座の間で会う時はわかるかも。いつものお父さんと全然違うから」
ちょっと肩凝るよね、なんて言いながら任命式に参加するために羽織った礼服のジャケットからグレイスが腕を抜くのを見て、
それを受け取るためにすかさず背後に回るが
「ちょっと…そんなことまでしなくて良いよ。ハンガーくらい自分でかける。
イギーも一旦ジャケット脱いだら? クローゼットにあるハンガー使って」
「そうか…」
世話焼きを断られたことに一抹の寂しさを感じつつも、『女性は自立が早いと聞くしな』と自分を納得させ、連れ立ってクローゼットへと進む。
扉を開けると、その中に真新しい制服がかかっているのが見えた。
「これは、中学の制服か。もう届いていたんだな。
改めて、合格おめでとうグレイス」
「あ! そうそう、ついこないだね!
これ、イギーに見せたいと思ってたんだ~。
ふふ、ご丁寧にありがとう。
ね、着替えてくるから少し待っててくれる?」
「着て見せてくれるのか? それは嬉しいな」