【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第11章 ポーション
そうして安心したことからオレの視界が広がったのか、枕元にある見慣れない緑のぬいぐるみが目についた。カーバンクルだ。
昔ノクトがレギス陛下にこれのお守りをもらったのは知っていたが…サイズ的に抱きかかえるくらいの大きさのそれを手に取る。
「グレイス、前からこのぬいぐるみ持っていたか?」
「あ、それいいでしょ。少し前にお小遣いで買ったの」
と少し照れた様子で答えてくれた。
「あぁ、愛らしくていいじゃないか。」
小学五年生になっても随分可愛らしい趣味をしているんだな、と思いカーバンクルの前脚をぴょこぴょこと動かし、
少し声色を高くして
「グレイス、いつもガンバっててエラいね!」
と子どもをあやすように声をかける。
「えっ? あっはは! 何それ、イギー声かわいー!」
「そうか? こんなことでグレイスが笑顔になってくれるならいくらでもやるぞ?
よしよし、ボクがいつもソバにいるからねー」
「ふふっ、ありがとう! すっごくほんわかする~。
ぎゅーしよ、ぎゅー!」
そう言ってグレイスは満面の笑みで両手を広げて、オレとぬいぐるみ両方を抱き寄せ、安心したような表情を見せる。
ふと見せてくれた幼い頃の面影が残る顔に今度はオレが安心と、心が温かくなるような幸せを感じた。