【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第11章 ポーション
目の縁一杯に涙を溜めて自分の父親への想いを吐露するグレイスを責める気にはなれなかった。
それに、このことを報告されたくないのはグレイスの性格からいって、自分の行いの軽率さを咎められることが嫌なわけではないのだろう。
レギス陛下の耳に入ることで、自分の父親に心苦しい思いをさせることと、
ドラットー将軍含む口止めをしていた王の剣の隊員が責められることが申し訳ないからだろう。
「報告する、というべきところなのだろうが…
グレイスがもう二度と隠れてこんな無茶はしないと約束してくれるなら今回に限っては特別に言わないでおく。
グレイスのレギス陛下を労わる気持ちはとても素晴らしいことだ。
だが、人に言えないような方法でやるということは、正直あまり褒められたことではないと思う」
「ありがとうイギー…! …でも、そうだよね。
イギーの言う通りだと思う…」
がっくりと肩を落とすグレイスの背中を優しくさすってやると、そっとこちらに目線を向けるグレイスと目が合った。
「私…何か焦っちゃってたのかな。
今もこうして帝国との争いは報道こそされないけどずっと続いていて、王の剣の人達の力をいつも借りている。
そして、それと同時に王都に来る移民の人数も年を追うごとに多くなってる。
それなのに王都警備隊の中には王の剣を毛嫌いする空気があったり、市民の中でも文化の違いから上手く馴染めない人達が大勢いるって話も聞くの。
それで、何か、何かしなきゃ、って…お父さんを助けたい一心と、
いつも王都を守る為に戦ってくれてる王の剣の人達に感謝の気持ちを伝えに行くのも兼ねて隠れてあんなことをしてたんだけど…公に出来ないやり方じゃ誰も素直に喜べないよね。反省だなぁ…」