【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第11章 ポーション
「グレイス! どうした、どこか具合でも…」
声を掛けられたグレイスはギクリとした反応でオレの方を見た。
そのグレイスの顔を見てオレは二度目の衝撃を受ける。
遠目に見てもわかった。本来濃紺であるはずのグレイスの目が淡くピンク色に発光していた。
そしてこの憔悴具合、間違いなく王家の力、魔力の使い過ぎだ。
「こんな所で何を…? いや、それよりどうしてこんなになるまで魔力を…!?」
驚きのあまり矢継ぎ早に質問するオレを気まずそうな目で見返すグレイス。
余程身体が辛いのか、眉尻を下げて困ったような表情をするだけで何も言ってこない。
よく見れば冬だというのに額や首筋には幾筋もの汗が伝っていた。
「…話は後で聞く。まずはグレイスの部屋に戻って身体を休めよう」
持っていたハンカチで簡単に汗を拭いてやった後、オレは問答無用でグレイスの身体を横向きに抱き上げた。
部屋へ戻る道中、初めは完全に脱力しオレに身を預けていたグレイスだが、城内で誰かとすれ違う度に「グレイス王女!? どうなさったのですか!?」と驚いた声を掛けられるのが居心地悪かったらしく「もう自分で歩けるから降ろして」と訴えてきたものの、悪いがその願いは叶えてやれなかった。