【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第10章 初挑戦
イギーによって、私の手ごと握りこまれたニンジンがゴリゴリと音を立てながら擦り減っていく。
このニンジンがすりおろされる前に早く熱を引かせなくっちゃ…
そう思っていると、不意におろし器を押さえるイギーの左手が離れた。
どうかしたのかな? でも少しでも時間が稼げてラッキー…
「それとグレイス…
次に料理をする時は髪をまとめてからの方がいい」
そう言って するり とイギーが私の髪を耳にかけてきたではないか。
「!!」
真っ赤に熱を持った耳に、イギーの指先はひんやりと冷たくて、触れられた瞬間ビクリと身体が跳ねてしまった。
「おっと…すまない、驚かせてしまったか」
「あ…う、うん、ちょっとだけ。
こっちこそごめんね、ニンジンに意識向いてたから思わずビクッてなっちゃった…あはは…」
あぁぁぁ…もう、今まで私、どうやってイギーと過ごしてたんだっけ!?!?!?