【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第10章 初挑戦
「仕方ないな…では…、
オレも一緒にやろう。これなら危なくない」
そう言って私の背に立ったイギーは、後ろから手を伸ばして私の手に重ねてニンジンとおろし器を握ってきた。
「しっかり持ったか? 動かしていくぞ」
「…!!?」
自分の耳のすぐ近くで、イギーの声がする。
いつの間にか声変わりして、昔とは違う低く落ち着いた大人の声に余計ドキドキしてしまう…!
私の手を包んでるこの大きな手も…
ついこの前までは安らぎや落ち着きをくれるものだったのに、今はもう全然違って…
触れ合うところが熱くて、どうにかなってしまいそう…
自分の気持ち一つでこんなに受け止め方が変わってくるなんて、知らなかった…。
何とかして、落ち着かないと…落ち着いて、返事を…
「ワ、ワカッタ…」
うぅ、声が裏返って恥ずかしい…
今、絶対私は耳まで真っ赤だ。絶対に振り返れない。