【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第1章 はじまり
「そうだ、週末は僕のお気に入りの絵本をいくつか持ってきてあげるよ。一緒に読もう?」
「わぁ~イグニスありがとう! お泊まり、もっと楽しみになった!
ね、『だいすきのちゅー』していい?」
「えっ?
ち、ちゅー?」
「そう。時々ね、お父さんが『大好きだよ』って言ってほっぺにちゅーしてくれるの。
グレイスもイグニスのこと大好きだから、ちゅーしたいの。いい?」
「あぁ、そういうことか。
うん、いいよ。グレイス、してくれる?」
相手が王女ということを考えて一瞬躊躇ったが、家族に向ける親愛のものと同じで、まだ3歳という年齢を鑑みれば断る方が無粋かと判断し、グレイスの唇が届きやすいように少し背中を屈める。
「うん! ちゅっ…えへへ、だぁいすき」
グレイスの小さな唇が頬に触れ、真っ直ぐな愛情の言葉でぽかぽかとした気持ちが胸の中に広がるのを感じる。
「ありがとうグレイス、僕からもしていい?」
「もちろん! して?」
「大好きだよグレイス…ちゅっ。
…わ、グレイスのほっぺすごい、もっちもちだ」
「そう? イグニスのほっぺもふんわりしてて柔らかかったよ~
イグニスも、だいすきのちゅーありがと~!」
花を咲かせたような幸せいっぱいの笑顔のグレイスにオレは口元をほころばせ、そっと抱きしめた。