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【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第3章 チェイスの賢い始め方※




「っ・・・!」

納得しているのかは知らないが、彼はそれ相応の言葉を返すと、再び私に顔を近付けた。

でも今度は少し逸れた場所へ。

私の耳元へと唇を近付けると、リップ音を立てながら口付けを1つ落とした。

瞬間、体が小さく一度跳ね、ゾクッと身体中に何かが走った。

これは恐怖なのか。
それとも、快楽というものなのか。

例え後者でも、そこに恐怖は付いてくるようでもあったが。

「バーボンほど、上手くはないと思うけど」
「・・・別に構わない」

耳元で囁くように言ってくる彼に、やはりバーボンは手馴れているのだな、と小さくため息が出た。

いずれは私も、そうならなければならないのに。

「っ・・・」

そんな事を考えている内、いつの間にかバスローブの紐が解かれている。

鎖骨を撫でられて、ようやくその事に気が付くなんて。

油断している訳ではないが、どうにも集中力が切れる。

こういう時、私は何をしていれば良い?
いつ、相手から情報を探ればいい?

・・・どうやって、男を喜ばせれば良い?

「・・・嫌になったら、すぐに言ってくれ」
「そんな気遣い、いらな・・・っ」

言葉と反し、体は拒絶を示すように彼の腕を掴んでいて。

スコッチの唇が今度は鎖骨に触れた瞬間、その手の力は咄嗟に込められた。

「ん・・・ッ!」
「・・・・・・」

同時に、無意識に漏れ出た声は、とても自分のものだとは思えなかった。

どこから出てきたのか、一気に羞恥が込み上げるようなこんな声が自分の声とは・・・認めたくもないようで。

「何・・・」
「・・・いや、ウェルシュも女の子なんだな、と思っただけだ」

・・・誰が女の子だ。

出てしまった声を戻すように。
そしてこれ以上出ないように。

「・・・何言ってるの」
「可愛いって、言ってるんだよ」

手の甲を口に当て、蓋をしたのに。

スコッチはその手を取ったかと思うと、見せ付けるように手の平へと口付けてみせた。




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