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【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第3章 チェイスの賢い始め方※




それにどうせ、これだけの条件を飲むはずが・・・。

「分かりました、その条件を飲みましょう」
「・・・え?」

正直な所、無いと思っていた。
けれど彼はあっさりとそれを受け入れてしまって。

それ程、協力者として人が必要なのか。

「我々はバーボンの情報が欲しいだけです。その為に、貴女を利用するのですから。それくらいの条件は飲みますよ」

ああ、利用と名言するのか。
その瞬間、彼も割り切っているものだと理解はしたが。

反面、理解できない部分もまだある。

「では、明日から僕と一緒に住んで頂けますか」

・・・こういう所だ。

「あの・・・聞いていました?」

何の為の条件なのかと、呆れの更に上の表情を出してしまいながら、感じたことの無い頭痛を覚えた。

「不必要に近付かないでくださいと・・・」
「僕は一緒に住んでくださいと言っただけです。貴女から近付かなければ、大丈夫かと思いますが」

・・・何だか詐欺にでもあっているみたいだ。

平然と淡々と話を進められ、完全に彼のペースに巻き込まれている。

「・・・理由を聞かせてください」

察することができない自分へ苛立ちながらも、なるべく落ち着いて尋ねた。

「バーボンが貴女に向ける好意が本物かどうか確かめておきたいんですよ。僕に限りなく主導権があっても、それを奪いに来るのか」

主導権って・・・。
一緒に住むだけで、そんなものが得られるのか。

「彼が貴女に固執する理由が、貴女自身にあるのか、別の目的があるのか、まずはそれを知っておきたいんですよ」

ただ、私もそれは気になる。
沖矢さんのこともそうだが、彼らが口にする好意というものを明白にしたいというのはある。

限りなく、嘘に近いことは分かっているけれど。

「・・・それについては協力しますが、すぐに住むのはできません。私も1人で動いている訳ではないので」
「致し方ないですね。でもなるべく早く、お願いしますよ」

何故この男に急かされているのか。
会話の一つ一つを終える度、不服しか残らない。

・・・どうにも、疲れる。




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