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【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第13章 ノーカウントの数え方※




「もう、察しもついているのでしょうし」

これは諦めなのか、覚悟なのか。
もうこちらもしらばっくれることは不可能だから。

「・・・透さんが、公安だという事が、ですか」

単刀直入に、真正面から。
真っ直ぐ彼だけを見て尋ねた。

「はい」

対し透さんは笑顔を崩さず、はっきりとした口調で答えた。
でもその笑顔に、やはり悲しさのようなものを感じたのは、気のせいなのか。

そういえば観覧車が崩れ始めた時、私を足止めしようとした彼らが、一瞬ざわめきを見せていた。

あれは中にいる透さんの安否確認をしていたのだろうな。

「ポアロは・・・公安絡みですか?」
「・・・そこは少々複雑なのですが、ひなたさんに伝えたことも嘘ではありません」

私に伝えたこと。
・・・私に、会いに来た。

透さんがポアロで働き始めた時に、何故ポアロで働き始めたのかと尋ねた時、彼はそう答えた。

「貴女を、ずっと探していました」
「!」

続けて答えた彼の目の鋭さが、増したように見えて。
追い詰められたような気持になった。

「それは公安としてですか。それとも・・・」
「どちらもですが、少し私情が勝っていたかもしれません」

聞きたかったことが分かっていたかのように、彼は私が皆まで言い切る前に答えた。

彼が私を探す理由に見当もつかないが、それ以上に公安が私を探す理由も分からない。

「真相を確かめるために」

そんな私の考えも読み取っているというように、彼はそう付け足した。

「真相・・・?」

彼らが知りたいような情報を、私は持っていないが。
一体何の真相を知りたいというのか。

戸惑いのようなものが胸中で渦巻く中、彼はゆっくりと再び口を動かした。

「スコッチ」
「ッ・・・!」

1つのコードネームに、体がビクッと素直に反応した。

それを彼が見逃したはずが・・・ない。



 
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