第12章 LikeはLoveか、別物か
作業としては後ほんの少し。
彼の手元を見ながら、必要そうな工具をそっと事前に彼の傍に配置する中、終わりを迎えようとしていた。
「あとは雷管に繋がるコードを切るだけですね」
「・・・ええ」
トラブルはあったものの、ここは順調に終えられそうだ。
これを無力化したら、コナン君を探しに向かわなければ。
そう考えながら、最後の彼の作業を見つめていると。
「!!」
光ってはいけないランプが、突然光って。
同時に、甲高い警告音が耳を突き刺した。
ヤバい、と脳は危険信号を出したが、今更どうしたって遅い。
瞬時に諸々の覚悟をして反射的に顔を逸らしたが。
「・・・・・・」
爆破は・・・起こらなかった。
「・・・間一髪ですね」
ギリギリ、彼の解体は間に合っていたようで。
爆弾のモニター部分には、RECEPTION OFFと表示があった。
それを確認した瞬間全身の力が瞬時に抜け、大きくため息を吐き出した。
「僕は辺りの爆弾を確認してきます。ひなたさんはここにいてください」
体の力が抜けきっている私に、彼はそう言いながら立ち上がって。
そうだ・・・他にも爆弾はある。
ここを無力化したからといっても、まだ危険な状態だ。
それに、彼がまだ放たれたままで。
「では、私はコナン君を探しに・・・」
「ダメです、ここにいてください」
重くなってしまった体にいう事をきかせ、ゆっくりと立ち上がりながら彼が消えてしまった方向を見ながらそう言いかけるが。
その言葉も行動も、透さんに止められてしまった。
聞き間違いかと思い、改めて彼に視線を向けたが、その目はしっかりと私を見つめていて。
「どこにも行かないでください」
・・・真剣な、曇りの無い瞳。
ああ、彼は警察官なのだなと思い知らされるようなそれに、吸い込まれそうになった。