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【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第12章 LikeはLoveか、別物か




どうすべきか、なんて一瞬考える素振りを脳内でしてみたが。
考えたところでまとまるはずもない。

だったら目の前のトラップを解除する方が余程有意義だと、消火栓のトラップを外しにかかった。

その様子に気が付いたコナン君は、私の方へと駆け寄ってきて。

「如月さん、解体できるの?」
「解体は道具が無いと無理だけど・・・ここを外すくらいならこれだけでも・・・」

幸い、そこまで複雑なトラップにはされていない。

数分掛けて引掛けを取り外し、消火栓扉のトラップを外し終えると、丁度透さんが姿を見せて。

「コナン・・・くん・・・」

僅かに息を乱し、何故か傷だらけで現れた透さんは、コナン君越しに私を見つけたようで。

・・・良かった。

彼の姿を見て無事だったことの確証を得ると、先程以上の安堵を感じた。

内心穏やかではなく、すぐに彼に言葉を掛けたかったが。
赤井さんに釘を刺されたばかりだから。

「ひなたさん・・・」

語尾を弱めた続きで、零れるように私の名前も口にする透さんを、そっと視界に入れた。

ほんの僅かに戸惑いを感じさせたが、彼はどこか私がここにいる事を察していたようにも感じ取れた。

で、あれば変に隠しても仕方がない。

「トラップは外しておきました」

今は、彼が現時点で思っている私になれば良いと思った。

私の正体をどう思っているか定かではないが、今をやり過ごすのにはそれで十分だと判断した。

「あとは任せます」

とりあえず、ここを離れて赤井さんと合流した方が良い。
そう思って、観覧車上部に移動しようとしたが。

「ひなたさん!」

素早く腕を引かれ、透さんに立ち去ることを拒まれた。

「危険です、ここにいてください」

・・・どうすべきだろう。
公安の動きを知るには絶好のチャンスだが。

FBIと向かうと彼は言っていた。
時期に赤井さんはやってくるだろう。

そうなった時・・・私の必要性と、何者でいれば良いのか・・・分からなくなった。



 
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