第12章 LikeはLoveか、別物か
観覧車内部へと潜り込むと、赤井さんはライフルバッグを担いだまま、上部へと昇っていった。
とりあえず、私は指示通り内部に異常がないか確認をしなければと、辺りを見回していた時。
「!」
微かな、物音。
近くは無い・・・が、音が僅かに軽い。
更に耳を澄ませると、それが足音だという事はすぐに分かった。
その瞬間、当たってほしくない私の予想が、1つ浮かんでしまった。
「まさか・・・」
そうでなければ良いが、と足音のする方へ気配を消しながら近づくと、辺りを警戒するコナン君の姿があった。
・・・やはり、こういう時の予想ほど、当たってしまう。
「勝手に潜り込んだの?」
「びっ・・・くりした・・・」
背後から声を掛けた為、彼は言葉通りの驚きを見せて。
呆れ顔を向ける私に対し少し焦りの表情を見せた彼だったが、すぐにその表情は緊迫さを含み始め、何か緊急性のある事案があるのだと察した。
どこからどうやって潜り込んだのか、何をしているのか。
彼にも聞きたいことは山ほどあるが。
「1人?」
「う、うん・・・」
まずは単独行動なのかを確認した。
彼が誰かを巻き込む可能性は低いと思ったが、念のための確認で。
「収穫は?」
「爆弾が・・・仕掛けられてる」
・・・成程、だからその表情なのか。
納得しつつ、彼がしゃがんでいる目の前の消火栓へと目をやった。
恐らく、この中に。
彼の横に同じようにしゃがみながら、周囲と中の確認をして。
確かに、それらしい物は確認できる、が。
「道具がないと厳しいか・・・」
今、手元にある物だけで開くことはできても、無力化することはできない。
「ここだけ?」
「ううん。車軸とホイールに、張り巡らせるように仕掛けられてる」
そこまで調べ上げてるなんて。
彼は一体いつからここにいるんだろう。
危なっかしい行動に小さく息を吐きながらも、今はその情報を活かすことだけを考えた。