• テキストサイズ

【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第12章 LikeはLoveか、別物か




「いいから、ここにいるんだ」

少し強めの口調。
これは・・・命令だ。

「・・・ッ」

なるべく赤井さんの命令には背きたくないが。
この命令には納得できない。

・・・でも、今は赤井さん一人で動くのが賢明だ。

「・・・分かりました」

落ち着け、冷静になれ。
こんな状態だから彼は私を置いていくんだ、と自分に言い聞かせ、ゆっくりドアノブから手を離した。

それを確認した赤井さんはライフルを手にすると、すぐに戻るという言葉を残し、倉庫街へと姿を消していった。

「・・・・・・」

静かだ。
遮るものが少ないせいで、音がよく響いてくる。

そのせいか、自分の鼓動がやけに耳につく。

・・・うるさい。
こんなにも鼓動がうるさいのは、初めて赤井さんに狙撃を教わった時以来だ。

ただあの時の鼓動の音とは・・・随分と違う。
それにあの時は、1発狙撃をした瞬間の発砲音と共に・・・。

「!!」

懐かしい記憶を呼び起こしていると、その時の記憶とリンクするように、遠くから発砲音が聞こえた。

この音は・・・ライフルじゃない。
という事は、赤井さんが撃ったものではない。

それに気づいた瞬間、体は無意識に車外に出ていた。

「・・・ッ」

撃った・・・誰かが、何かを。

段々と呼吸が整わなくなり、脳が事実を事実として認識しにくくなっていた。

威嚇だった可能性もある。
そう冷静に考えようとしたが。

どうにも上手く考えることができない。
今自分が歩けているのか、それすらも分からない。

危険だと脳が体に訴えているのに、いう事を聞かない。

「!!」

パニックのような状態に陥っていると、もう1発の発砲音が微かに聞こえてきて。

今度は赤井さんのライフルからのものだとすぐに分かった。
サイレンサーが付いているが、だからこその特融の音が私には分かる。

その瞬間、ようやく体が目を覚ましたように体の自由が戻った。




 
/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp