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【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第12章 LikeはLoveか、別物か




「・・・キュラソー?」

赤井さんの話の中で出てきた一つのコードネーム。
それを口にしながら首を傾げると、赤井さんは視線だけを私にチラリと向けた。

聞いたことがあるような、ないような。
あまり覚えは無かったが。

その彼女の手によって、ノックリストから炙り出したスパイは、次々に始末されているらしい。

・・・そのリストの中に、もし私の名前があったら。
組織が既に、そのリストの全部を把握しているとしたら。

もし・・・私が生きていると、組織にバレたら。

これくらいのリスクはいつだってあるはずなのに。
組織に侵入しているときに比べたら、危険はそこまで近くないはずなのに。

なぜ、こんなにも・・・呼吸が苦しくなるのだろう。

「そんな顔をするな」

知らない間に眉間のシワが深くなっていたようで。

赤井さんの呼びかけにハッと顔を上げると、ようやくまともに呼吸ができたようだった。

「君のバックにはFBIがいる」

落ち着いた、しっかりとした声色。

「・・・それだけでは不安か?」

あの時と・・・同じだ。
初めて赤井さんと会った、あの時と。

この人は私に、そこはかとない安心感を与えてくれる。

さっきまでの不安が嘘のように消えていくのを感じる中、静かに首を横に振った。

「バーボンも危ない状況だろうが、彼なら大丈夫だ」

確かに、彼も危ない。
私が心配したところでどうにもできない上に、私が近くにいれば双方危険な目に合うかもしれない。

・・・暫く、会うことは控えた方が良いだろうな。

「銃の手入れはしているか」
「は、はい」

赤井さんの問いに僅かに背筋を伸ばしながら答えると、彼から左手を伸ばされた。

銃を出せ、という無言の指示に従い、足につけていたガンホルダーから銃を取り出すと、赤井さんの左手へとそっと置いた。




 
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