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【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第11章 昨日と明日と明後日と




「一体何の情報を持ち出したのかしら」

それは・・・帰りの車内でも赤井さんと少し話はしたが。

「恐らくだが、ノックリストだ」
「!!」

元々この話はまだ信憑性が低かったのもあり、赤井さんとジェイムズさんと私の3人のみで話していたことの様で、ほかの捜査員には伏せられていた。

その為、赤井さんの言葉にその場にいた捜査員がざわついて。

赤井さんは表向き、この世にいない事になっているが、データ内ではどうなっているか分からない。
それは勿論、組織からの接触を恐れる私もだ。

そして・・・バーボンも。

「もしそうなら、ひなたは表に出さず、匿っていた方が良いんじゃない?」

ジョディのその言葉に、皆の視線が集まった。

それは、私もそうだと思う。
早急に日本を離れるべきだとも。

だけど赤井さんは。

「いや、彼女は俺の補佐として必要だ」

車内で私に言ったことをそのまま、皆の前で言ってくれた。
複雑な気持ちではあったが、彼の傍で仕事ができることが嬉しくない訳が無くて。

「あ、あの・・・」

ただ、それに同意したくない者がいるのも事実だと思う。

「本当に大丈夫なんですよね、その方・・・」

キャメルという捜査官も、私が日本に残り、増して赤井さんの傍にいることに不安を覚えたようで。

「・・・どういう意味でしょうか」
「い、いえ・・・」

体格では無論、ガタイの良い彼には勝てない。

でも私には私なりの戦い方がある、とキツイ視線を彼に送ると、以外にも彼は僅かに委縮しながら身を引いた。

「心配するなキャメル。ひなたの腕は、俺が保証する」

・・・される程の腕は持ち合わせていないかもしれないが。
赤井さんにそう言わせてしまったのだから、恥ずかしくないように立っていたい。

改めての決意を拳に表すと、話を静かに聞いていたジェイムズさんは、小さくため息をついて。

「・・・盗まれたものが本当にノックリストだとすると、相当厄介なことになる」

そう、その状況は変わらない。
まずは工作員の生死の状況だが。

海に落ちてしまった為、すぐには判断が付かなくて。

その息の根が既に止まっていれば・・・事態は少し穏やかなはずだが。



 
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