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【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第1章 朝日は終わりを告げた




正直、開けること自体は難しいことではないけれど。

バーボンや毛利さん達の前で、そんなことできるはずもない。

「お2人はパスワードとかどうされてます?」

打開策を考えていると、安室さんは徐ろにそんな事を尋ねてきて。

「生年月日とか・・・」
「俺は小五郎さんで5563だが・・・」

彼の問いに、毛利親子はそう答えて。
やはり、一般の人はそういうものだろう。

私達がもし鍵を掛けるのなら、そもそも文字の鍵なんて使わないけど。

「いえ、とても覚えきれない長いパスワードの場合は?」

パソコンに向けていた私の視線は、安室さんのその言葉で動かされた。

それはあまりにも確信的な上、ある意味彼らしくないと思ったから。

「俺なら紙に書いてこういう場所に・・・」

安室さんの言葉に、毛利さんは机の下を探って。

そこから小さな紙切れを取り出すと、表情はパッと明るくなった。

「あった!パスワードゲットだぜ!」
「すごいお父さん!」
「さすがですね!」

パスワードの書かれた紙を掲げては喜ぶ彼らだったが、きっと彼はそこにこの紙がある事に気付いていた。

きっと机の下にあることを確認していて。

あくまでも毛利さんに手柄を取らせ、それでも物事はスムーズにいく様、自分は適度に動く。

「・・・・・・」

相変わらず、強かだ。

彼のそういう所が、会った時から少し苦手だった。

何を考えているのか・・・分からなくて。

ーーー

「おいおい!こいつはこの前の銀行強盗の計画書じゃねえか!」

パソコンを探っていくうちに、無防備にもそんなものまで保存されていた。

計画性があるのか無いのか分からない強盗犯だ。

「大胆にも3人揃って拳銃を持ってる写真まで載せてますね」

・・・開いた口が塞がらない。
逃げ切れる自信があったのか、ここは探られないと高を括っていたのか。

ただ彼女も・・・圭さんも、間違った判断をしたことに違いは無い。

形としては違うものの、罪を犯したという点では、彼らと同じだ。




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