• テキストサイズ

【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第5章 笑顔と泣顔が行着く先※




「コナンくんは、何か予想があるの?」

沖矢さんの言葉から気持ちを逸らすようにコナンくんへ問いかければ、彼は数秒考える素振りを見せた後、ゆっくりと口を開いた。

「いや・・・この間のシェリーのことが片付いたから、もう姿を消すかと思ってたんだけど・・・」

そうか、彼はシェリーが目的だと考えていたのか。

だとすると、コナンくんは前々からシェリーの存在を知っていて、その上シェリーがどう組織を抜けたのかも知っていたということか。

「まだ、居るらしいからね」

でも彼がシェリーを助ける理由が分からない。
沖矢さんと同じように、単なる人助けとは少し思えなくて。

メリット・・・という考え方というよりは、シェリーだから助ける、といった風に見えた。

「・・・ひなたさん、何か危険なことしようとしてる?」
「・・・・・・」

今までのこと、そしてこれからの事。
それらを脳裏で薄ら考えていただけだったのに。

彼は何かにつけて、察する能力が高いようだ。

「子どもには聞かせられないなあ」
「・・・!」

僅かに誤魔化すように。
けれど、嘘ではないことを笑み混じりに答えれば、彼は少しの間の後、赤面して慌て始めた。

察する能力も時には仇になるものなのだな、と違う笑みを彼に向けると、少し口を尖らせる彼を見る事ができた。

「と、とりあえず・・・っ、目的が分かるまではこのままだね・・・」

こういう所は子どもらしい。
・・・いや、察している時点で、子どもらしくはないか。

「ついでに、もう一つ聞いていい?」
「ん?」

もうこうなれば、彼の質問全てに応えるつもりだった。
応えられない質問を、彼がするとも思えなかった、というのもあるけれど。




/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp