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【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第5章 笑顔と泣顔が行着く先※




「あ、安室さん?」
「夜道、女性の一人歩きは危険ですから。一緒に歩きましょう」

あっという間にポアロ近くの駐車場に着いてしまうと、慌てて降りる私について彼も一緒に車を降りた。

ますます、彼を撒くのが難しくなってしまった。

最悪、一度部屋に帰ってコナンくんに合流するか。
そう考えながら徒歩でポアロへと向かうと、既に閉店した真っ暗なポアロが視界に入った。

昼間は活気的な街だが、夜になれば人気も無い。

毛利探偵達も、昼間にあった事件の事情聴取でまだ戻っていないようだ。

コナンくんは、蘭さん達と博士の家に直接向かうと言っていたから、もう着いている頃だろう。

「・・・・・・」

ポアロの鍵を開け店内に入れば、夜ということもあって少し不気味さがあった。

そんな物より怖いものが、私の背後には存在しているが。

「ここで待っていてくださ・・・」

夜の店内に二人きりは息苦しくてたまらない。
だから彼には外で待っていてもらおうと思ったのに。

強引に中へと入ってきたかと思うと、店内側のドアに私を押し付け、顔を近付け凄んだ。

「本当は」

・・・彼の目に、光が反射して。

「どちらに?」

逃がさない、と言われているようだった。

「・・・ッ」

これ以上、嘘はつけない。
阿笠博士の家と言えば嘘は無いかもしれないが、彼に阿笠博士の存在を大きく明かしてしまうことになる。

それは・・・なるべく避けたい。

「し、しつこい男性は嫌われますよ・・・」

今は、こんな安っぽい言葉しか言えない。
体も・・・上手く動かない。

やはり無理だ。
思いたくはないが、脳がそう判断をする。

この男に、体を使って情報を取ってくるなんて。

絶対に、無理だ・・・と。






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