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【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第5章 笑顔と泣顔が行着く先※




「コナンくんの推理は?」
「・・・・・・」

余裕を装って笑みを向ければ、彼の顔の険しさは増したように感じた。

彼はある種、分かりやすくて良い。
人間らしさを感じる。

・・・光的、存在だと思う。

「僕は、味方になってくれる人だと思ってる」

つまり、敵ではない、と。

私が何者なのか、この際どうでも良くて。
彼の味方になれる人間であれば、問題無いということだろうか。

「・・・どう?」

どこか不安げに見てくる彼に、今回は年相応な印象を受けた。

この子は、探偵だけれど・・・自分の言葉に怯えているようにも見える。
探偵だから、なのかもしれないが。

自信があるようで、いつだってその口から真実を語るのには不安があって。
リスクと隣り合わせなことを、わざわざしている。

理解不能なようで・・・私もどこか似たようなものだと心の中で笑い、表情でもそれを僅かに滲ませた。

「どこでそう思ったか・・・聞かせてくれる?」

沖矢さんが彼に味方しているのが、分かる気がする。

子どもに協力を要請されても、普通は話半分だろう。
でも彼には・・・私たちを本気にさせる力がある。

「探偵の勘・・・って答えじゃダメ?」

・・・面白い。
証拠を元に話をする探偵が、勘で話をするなんて。

実際、何か掴んでいるのかもしれないが、それならそれでも良いと思っていた。

「もし私がコナンくんの敵だったら・・・どうするの?」
「本当に敵だったら、そんな聞き方しないよ」

この言葉には自信を持っているようだ。
やはり、不確かなものか、何かの証拠を掴んではいるのだろう。

「・・・分かった。何をすれば良い?」

何度も私に味方かどうか確認するからには、何か頼みたいことがあるのだろう。

そう思い、単刀直入に尋ねた。

「安室さんの・・・動向を教えてほしいんだ」

・・・それは沖矢さんと共有していることだが。

沖矢さんと協力体制を取りつつも、その辺りの話はしていないのか。
ということは、私と沖矢さんの関係も知らない可能性がある。

まあ、話していればとっくに彼は私と協力者の関係だっただろうな。




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