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【安室夢】零番目の人【名探偵コナン】

第5章 笑顔と泣顔が行着く先※




「も・・・って、別にいつも一緒にいる訳ではないですよ・・・」
「いつもではないだけで、一緒にいる事もある・・・という事でよろしいですか?」

まるで誘導尋問だ。

彼が提示する答えは概ね合っているが、ハッキリ「Yes」と答えたくないようにされている。

でもこちらが口篭れば、それは「Yes」として捉えられてしまう。

「・・・それで、昨日はどなたとベルツリー急行に乗り、どなたの家に泊まったんですか?」

彼に車内で1人か、と聞かれた時、私は秘密だと答えたのに。
誰かと乗っていたことは確信済みなのだろうか。

「どうして、1人じゃないと・・・?」

彼が何故、確信を得たのか。
何となく気になって聞いてみたが。

「ひなたさんが教えてくれたじゃないですか」

正直、聞かなければ良かったと思った。

「僕“は”1人なのか?と聞かれたのですから、ひなたさんは1人ではなかったのでしょう?」

自分の失態を、こんな形で知りたくはなかったから。

「違いますか?」

・・・嘘をつく必要は無いのかもしれない。

ミステリートレインでバーボンに会ったのは一瞬だった上、彼にとって特に不都合な動きはしていないはずだ。

あくまでも、私は。

「ひなたさん」

答えを催促させるように、彼は貼り付けた笑顔のまま私に詰め寄って。

「・・・き、昨日は・・・」

とりあえず、泊まった相手は沖矢さんだった。
そう、答えようと・・・した時だった。

「!」

タイミングが良かったのか悪かったのか、ポアロのドアベルの音が突然の来客を知らせて。

まだ開店前なのに、一体誰なのか。
考えられる人物は数名居たけれど。

「わ、私出てきます」

パタパタと急いでホールへと向かうと、そこには予想もしていなかった人物が立っていて。

「お、沖矢さん・・・!?」

どうして今日はこうも予想外の人物ばかり、ここにやって来るのか。

動揺もここまでくれば、呆れのような感情になっていて。



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