第8章 ※
翌朝、連日の早朝練習のせいと睡眠時間を削っての予習復習のせいでイマイチ頭がスッキリしない。
はっきり言ってしまえば頭が痛い。鈍痛、とも言えそうな微妙な痛みだ。
「はぁ…」
口から漏れるため息はいつもより熱っぽい気がするかそんなことは気にしてられない。約束の日は近いのだ。甘えることはできやしない。
教室から見える春はとても色あせていてなんの面白みもないものだった。
「バレー、したいわ……」
ぼんやりと口からこぼれ落ちる言葉はざわつく休み時間にかき消され誰にも聞こえることなく消滅、するはずだったのに近くにいた少年には聞こえてしまっまらしい。
「なら、やったらいいでショ」
「へ?」
となりの声に驚きつつも主を見上げると普通のこよりも飛び抜けて大きく、座っている私からすると見上げるのに首が痛いと文句を言ってやりたい。
「やりたいならやればいいでショ。一々言わなくても」
うざそうにいう彼は誰なのだろうか。というか、答えるのが面倒なら答えなくてもいいのだが。誰も答えを求めて呟いた言葉ではないのだから。